春うらら!新年度がスタートしましたね!特に、入学式・入社式を終えたフレッシュマンの皆さんは、新しい環境の中でわくわくドキドキしながら初めてのことに果敢に挑戦していることでしょう。
さる4月4日、わが母校・多摩美術大学でも入学式がとり行なわれ、どういうわけか、今年度は、私が卒業生の代表として、新入生の皆さんを前に、祝辞を述べるという大役を仰せつかることになり、期待と不安が入り混じり緊張した面持ちの新入生たちの初々しい姿を見ながら、私もやや緊張しつつ、久しぶりに大学の門をくぐりました。
入学式が始まり、五十嵐威暢学長、藤谷宣人理事長、教授代表の港千尋先生、それぞれのスペシャルな式辞があり、続いて私の祝辞となりました。「最近の若者は・・・」という言葉はどこへやら、約1,000人に上る新入生の皆さんが、しっかりと前を向き、凛と背筋を伸ばして着席している様子はなんとも頼もしく感じられ、演壇に向かうこちらの身も自然と引き締まりました。祝辞では、私が15年前に入学した当時の様子や学生時代に全く順風満帆ではなく、むしろ自分の理想とする表現と現実との狭間でもがき、試行錯誤し、未来への可能性に不安を覚え、それに打ち勝つために勇気を振り絞る日々の連続であったこと、
そして、猛者ぞろいの各分野の先生方と講義や批評会で真剣に意見を戦わせたことがどのようにその後の糧となったか、などをお話しさせていただきました。少しでも、これから始まる学生生活のための参考になればいいなと思います。
閉式後は、多摩美術大学校友会の皆さんと一緒に、各分野の先生方のおられる研究室を訪ねる校内行脚の旅をすることになったのですが、ちょうど昼食の時間となったので、まずは腹ごしらえということで、ご用意していただいた春らしい食材盛りだくさんの彩り豊かなお弁当を校友会の皆さんと一緒に、美術学部 共通教育 / 芸術学科・本江邦夫先生の研究室でいただきました。
「校友会の卒業生代表として祝辞をするなんて知らなかった~!びっくりしたよ~。立派!立派!」と、大学時代と変わらぬ開口一番の本江節に、うれしくなりました。私の隣で、一緒にお弁当を食べていた校友会スタッフの森さやかさんは、油画科卒業生なので、「初めて本江先生の研究室に入りました~。本江先生の研究室でお弁当をいただけるなんて~!」と、すごくうれしそうでした。
その後、控え室に戻ると、多摩美術大学広報課の池田愛子さんが遅めの昼食。これから、油画研究室を訪ねるところだとお話しすると、さすがは広報課!携帯で、すばやくアポイントをとって下さいました。
オリエンテーションでご多忙だった先生方にも、ようやく連絡がつきました。
そして、いよいよ、わが専攻科・油画研究室に到着。なんだか、学生時代のいろいろな出来事を思い出し、一瞬、入るのを躊躇したくなるような、とても複雑な気分になったのですが、温和な木嶋正吾先生にお茶を出していただき安堵したのもつかの間、「よ~よ~、大した偉い卒業生のお出ましだな~。もう1回、油画科を出直すか~!」っという小泉節が炸裂!いやはや、こちらの猛者もますますご健在!そこから、これまでの私の作品発表についてのありがたい講評会となりました。
小泉俊己先生のこちらの内面に迫り、えぐり取るような講評は、当時のまま。この久々の講評会は、相変わらずの手厳しさだったのですが、なぜかとてもありがたくうれしい時間でした。大学を卒業後にもいろいろお世話になっている堀浩哉先生には、これからの10年の制作スタンスや活動についての具体的なアドバイスをいただきました。そして、シメは、栗原一成先生も入っていただいての5ショットをパチリ!久々の油画研究室でしたが、どの先生もお元気でなによりでした。母校ってやっぱりいいものですね。それぞれの先生からいただいた教えは、わが美術家人生において、これからますます役立っていくことでしょう。
最後になりましたが、このような大役に、私をご指名いただいた多摩美術大学校友会の皆さんに感謝です。たいへん光栄に感じています。誠にありがとうございました!また、当日、いろいろとお世話いただいた校友会担当の柏木弘先生、校友会事務局の斉藤さん、森さん、ありがとうございました。多摩美術大学校友会から新入生の皆さんに贈られたスケッチブックを手にする斉藤さんと森さんをパチリ!